スリスリ、ふみふみ、しっぽピーン。



(出典 www.neko-jirushi.com)



オノマトペという言葉をご存じですか。ある状態や音などをまねて擬音で表現した言葉のことで、きらきらわくわく、ドキドキなどがあります。このオノマトペには、猫特有のしぐさを表すものがあります。たとえば「スリスリ」。猫が頭の後ろや背中をこすりつけることを「スリスリ」と呼びますが、これは猫のしぐさだけに使われるオノマトペです。その他にも、「ふみふみ」「しっぽピーン」など、猫には特有のオノマトペがいくつかあります。

きちんと香箱座り

きちんと香箱座り


スリスリ/「これ、私のもの」といって匂いをこすりつける

段ボールのフタの角を見つけると、思わずスリスリスリスリ。
買い物袋からはみ出しているゴボウの先っぽに、スリスリスリスリ。
柱にスリスリ、イスの脚にスリスリ、そして、飼い主さんのスネにスリスリスリスリ。
猫はちょっと飛び出ているものを見ると、ついついスリスリしてしまいます。
猫の体には匂いを出す分泌腺があります。場所は耳のつけ根やおでこなど。そこから出る自分の匂いをこすりつけて、「これ、私のもの」とマーキングしているのです。さらに、すりつけることによって相手の匂いも受け取り、自分の匂いと混ざり合うことで、仲間意識を高めます。
猫缶のフタを開けると、「ご飯ご飯」と足元にスリスリ。仕事に集中していると、「遊んで遊んで」と二の腕にスリスリ。朝、寝ていると「起きて起きて」と顔にスリスリ。このような行動は、マーキングというよりはアピールしているように思われますが、ゴボウの先っぽにスリスリしている姿を見ると、嗅ぎ慣れない匂いをスリスリしながら確かめて、自分の匂いをつけているように見えます。
猫のスリスリ。なんとも不思議なしぐさです。
〈参考:ねこのきもち WEB MAGAZINE〉

体を伸ばして、スリスリスリスリ…

体を伸ばして、スリスリスリスリ…


ふみふみ/子猫の時の幸せな感触を思い出している

猫は眠たくなると、柔らかい毛布やクッション、ともに暮らす猫などを、前足で交互に押しつけるしぐさをします。押すタイミングは2秒くらいの間隔。ゆっくり、ゆったり、マッサージするように、右足、左足とリズミカルに押しますが、これを「ふみふみ」といいます。
猫がふみふみする時は、手元を見つめるというよりは、なぜか遠くを見るような目をしています。いったい、何を考えているのでしょう。
生まれたばかりの子猫はオッパイを飲む時に、母猫のお乳の出をよくしようと、前足を上手に使って、右、左と交互に押して揉みながら飲みます。猫は大人になっても、毛布などの柔らかいものに触れると、子猫の頃を思い出してふみふみしてしまいます。この時、遠くを見ているような目をしているのは、オッパイを飲んでいる時の感触や幸せな気持ちを思い出しているのかもしれません。
飼い主さんがお腹をふみふみされたら、それはお腹がプヨプヨしていて、ポッチャリ気味である証拠かもしれません。猫がお腹をふみふみしてくれるのは微笑ましくてうれしいものですが、それはダイエット筋トレが必要なサインかも。でも、引き締まった体になると猫がお腹をふみふみしてくれなくなる…。
ダイエットをとるか、猫のふみふみをとるか、矛盾した気持ちを抱えながら自問自答を繰り返す人も多いのでは…。

遠くを見つめて、ふみふみふみふみ…

遠くを見つめて、ふみふみふみふみ…


しっぽピーン/「うれしい、楽しい」。思わずスキップしたい気持ち。

しっぽを垂直にピーンと立てて、飼い主の帰りをお出迎え。猫缶をパカッと開ける音が聞こえると、しっぽをピーンと立てながら、小走りで近づいてきます。
猫がしっぽをピーンと立てるのは、喜びや甘えの気持ちの表れです。子猫が母猫に近づく時にしっぽをピーンと立てます。これは、母猫にお尻を清潔にしてもらいやすいようにしているしぐさですが、大人の猫がしっぽを立てるのは、この名残ではないかと言われています。
嬉しい時、ワンコの場合は千切れるほどしっぽを振りますが、猫はしっぽをピーンと垂直に立てます。たとえば、飼い主がご飯の支度をすると、猫は嬉しさがマックスに達し、しっぽをピーンと立てながら足元にスリスリし、さらにのどをゴロゴロ鳴らすという最上級の甘え方をします。この時、慌てて食事の用意をしていると、足元にからまりまくる猫のせいで飼い主さんが転んでしまうことがあるので、注意してくださいね

「しっぽピーン」からの、石の角に左頬を「スリスリ」

しっぽピーン」からの、石の角に左頬を「スリスリ」

寒い季節がやってきました。そんな時は湯たんぽがわりに、猫といっしょに暖か~く寝たいものですね。

ゴロンゴロン、ゴロンゴロン

ゴロンゴロン、ゴロンゴロン

スリスリ、ふみふみ、しっぽピーン。猫のしぐさの“オノマトペ”


(出典 news.nicovideo.jp)